中国の美しい湖五選、最終回は中国の青海省西部にあるチャルハン塩湖(察爾汗塩湖)です。
中国最大の塩湖
中国最大の塩湖であるチャルハン塩湖の面積は約5800平方キロメートルで、塩層の厚さは2~20メートルほどです。標高約2670メートルの場所に位置しており、7~9月が観光に適した季節と言われています。近年チャルハン塩湖の生態環境が改善されており、ハクチョウやタンチョウヅルなどの多くの貴重な保護動物がここに訪れ、越冬しています。
まさに塩の世界!チャルハン塩湖の塩は60億人の1000年分
チャルハンはモンゴル語で「塩の世界」を意味し、その名の通りチャルハン塩湖は塩が豊富です。その産出量は最大で600億トン以上と言われ、60億人の1000年分の量に相当します。この量の塩で厚さ6メートル、幅12メートルの橋を作った場合、地球から月に到達するほどの距離になるといいます。こうしたことからチャルハン塩湖の潜在的な価値は12兆元(約200兆円)はくだらないと指摘する専門家もいるそうです。
塩で橋を作っちゃいました!
塩が豊富にあるチャルハン塩湖ですが、塩の硬さも折り紙付きで、長さ32キロメートルに達する「万丈塩橋」はチャルハン塩湖の塩で作られています。チャルハン塩湖の上には堅い塩の蓋が形成されており、「万丈塩橋」はこの塩の蓋で作られ厚さは15~18メートルほどです。公道がチャルハン塩湖まで整備された際に、地下水により削られた空洞が工事の大きな障害となりましたが、現地には石も砂もなかったため、責任者は穴を埋めるためにチャルハン塩湖の硬い塩を利用し、「万丈塩橋」の完成に至ったといいます。青蔵鉄道と青蔵公路もこの塩の蓋の上に直接建設されました。
60億人が1000年かけて食べる量の塩はなかなか想像できませんが、車が走っても問題ない橋を作れる硬さの塩もなかなか想像できません。何から何までスケールが大きい塩湖です。