道教の神様が住まう!?三清山国立公園―中国世界遺産

中国の世界遺産、37回目は2008年に登録された自然遺産、「三清山国立公園」です。その名の通り、三清山の区域内にある国立公園です。三清山は江西省上饒市の玉山県と徳興市の境にある山です。

名前は道教の神様に由来

三清山という名前は、道教の「三清」に由来します。三清とは、道教の最高神格である、「元始天尊」、「霊宝天尊」、「道徳天尊」の3者を指しています。三清山の「玉京峰」、「玉華峰」、「玉虚峰」がまるで3人の神様のようだと例えられ、この名が付きました。三清山は中国で7番目の世界自然遺産で、花崗岩が形成する独特の石柱群や峰々の稜線の造形、豊富多彩な植生、遠近の変化に富む景観、刻々と変化する天候などが唯一無二の美しい自然美を織りなしています。

<世界遺産>中国7番目の自然遺産に江西省「三清山」決定―ユネスコ委

三清山2

三清山3

道教の聖地

三清山が知られるようになったのは、東晋時代(317~420年)の道教研究家・葛洪の活躍があったといわれています。葛洪は神仙(仙人)思想や道教の術の一つである煉丹術(霊薬を作る技術)に関する書籍を執筆したことで知られ、葛洪が三清山で霊薬を作っていたことから、三清山は道教の聖地としてあがめられるようになりました。三清山の主峰は玉京峰で標高は約1820メートル。観光区には2300種余りの植物、1700 種余りの野生動物が生息し、東アジアで最も多様な生物環境となっています。三清山の名所として、大蛇が直立しているように見える・巨蟒出山、たたずんだ女神のような・司春女神が有名です。

三清山4

三清山5

14億年前の地殻変動が奇観作る

三清山の奇観は、14億年前の地殻変動が作り出したといわれています。これまでに3度海水に浸食され、何度も海の中に沈下したそうです。激しい造山運動や浸食など厳しい自然環境にさらされたことで、三清山には険しい峰や深く切り込んだ渓谷が形成されました。三清山は雨の多い場所として知られており、霧の発生率も高いです。霧に包まれた神秘的な光景を見たい方は高確率で出会えるかもしれませんが、晴れた三清山を見たい人は運が必要かもしれません。また、雨量が多いために湿度が高いのも三清山の気候の特徴です。夏は蒸し暑く冬は厳しい寒さになります。

三清山6

三清山7

地殻変動や海水の浸食など、自然が長い年月をかけて作り出した三清山の奇観は、人工的な要素がないからこそ神秘的に見えるのかもしれませんね。葛洪が霊薬を作る場所に選び、道教の神様に例えられるなど、どこかに仙人が住んでいるのかもしれないと思わず空想に耽ってしまうほどに浮世離れした光景です。

           

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