石林から鍾乳洞まで、多種多様な中国南方カルスト―中国世界遺産

中国の世界遺産、35回目は2007年に登録された自然遺産、「中国南方カルスト」です。2007年に雲南省・石林、貴州省・茘波、重慶市・武隆が登録され、2014年に広西チワン族自治区の桂林と環江、貴州省・施秉、重慶市・金仏山の各カルスト地域が追加登録されました。

※写真は雲南省の石林。

世界遺産登録に少数民族が歌と踊りで祝う

カルスト地形とは、石灰岩など水に溶けやすい岩石でできた大地が、雨水や地下水などによって浸食されてできた地形を言います。鍾乳洞といった地下地形もカルストに含まれています。長い年月を経て自然とできた地形のため、林のように林立するものや、キノコのような形などさまざまな形があります。

中国のカルスト地形の約半分が世界遺産に認定された地域にあるそうです。これらの地形は約3憶年~50万年前に形成されました。数あるカルスト地形の中でも雲南・石林、貴州・茘波、重慶・武隆が典型的で代表的なカルスト地形として知られています。中国南方カルストは中国にとって34カ所目の世界遺産で、雲南・石林、貴州・茘波、重慶・武隆が合同で申請しました。世界遺産に認定された際には、連絡を受けた少数民族の住民らが歌や踊りで喜びを表現しました。

奇石並ぶ石林、34番目の世界遺産に沸き返る現地―中国雲貴高原

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「天下一の奇観」や世界最大級のカルスト原始林

雲南・石林のカルストは、昆明市の石林イ族自治県にあります。5つの風景名勝区に分かれており、「天下一の奇観」と呼ばれています。約2億7000万年前、この場所は海底でしたが、地殻変動により陸地となり、雨や地下水の浸食でカルスト地形が形成されたそうです。

貴州・茘波のカルストは世界最大級のカルスト原始林といわれています。雲南・石林とはまた違った表情を見せており、緑豊かなカルストを形成しています。茘波のカルスト域内に点在するエメラルドグリーンの池は人気スポットです。

重慶・武隆のカルストは、鍾乳洞の「芙蓉洞」、天然岩でできた「天生三橋」、渓谷の「地縫」がランドマーク的な存在で、芙蓉洞の水たまりはエメラルドグリーンで、天井から垂れ下がるようにして伸びている岩石と相まって神秘的な奇観を作り出しています。

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世界で最も壮観で、多様性に富むカルスト

2014年に追加登録された貴州・施秉のカルストはドロマイトと呼ばれる、可溶性の成分からなる岩石でできたカルスト地形です。重慶・金仏山のカルストは、山頂が平たいのが特徴で、典型的な台原カルストです。金仏山風景区内には百以上の峰がそびえ、10数力所の洞窟があります。広西・桂林のカルストでは、漓江の両岸に奇峰奇岩が連なり、山水画のような風景を織りなしています。広西・環江は環江マオナン族自治県にあるカルストで、自然環境に恵まれ、多種多様な動植物が生息しています。

2014年に中国南方カルストが追加登録された際に中国の専門家は「より素晴らしい世界遺産になった。高原から平原までの最も代表的なカルストが含まれており、カルスト独特の変化を見ることができる。世界で最も壮観で、多様性に富むカルスト」と評価していました。

世界遺産、中国南方カルストが追加登録で面積拡大―中国メディア

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途方もない年月をかけてできたカルストは、自然が作り出した芸術品です。地形や気候などにより形はさまざまで、同じカルスト地形でもさまざまな表情を見せています。芸術品のように同じものでも見る人によって感じ取るものは違ってきますが、偉大なる自然の造形物に圧倒されるのはみな同じでしょう。

           

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