数億年かけ出来上がった岩山の絶景・武陵源―中国世界遺産

中国の世界遺産、10回目は1992年に登録された自然遺産、湖南省張家界市にある武陵源の景観と歴史地域(以下、武陵源)です。武陵源は、湖南省内にある「天子山自然保護区」や「張家界国家森林公園」、「索溪峪自然風景区」、「楊家界自然風景区」といった自然保護区や自然公園で構成されています。数億年の地殻変動により岩山が林立する奇景が出来上がりました。

かつては少数民族の秘境だった

武陵源一帯には、主にトゥチャ族ぺー族ミャオ族などの少数民族が居住しており、総人口の半数以上を占めています。かつては少数民族が暮らす秘境でしたが、1970年代に鉄道網が敷かれ広く知られるようになりました。今では観光地として有名で、標高約1000メートルに位置する石柱群・袁家界、断崖絶壁の景色が特徴的な楊家界風景区、「仙女が住む池」と呼ばれている宝峰湖、渓谷・金鞭渓、無数の断崖絶壁が持ち上がってできた台地「黄獅寨」が有名なスポットです。

<2006年年末企画> いつか行きたい中国の世界遺産(1)武陵源景勝地

武陵源1

武陵源2

世界一の屋外エレベーターがある

武陵源がある張家界市は四季がはっきりした気候の地域で、市内は夏に40℃近くまで気温が上昇することも珍しくありません。武陵源は市内に比べると10℃近く涼しくなることもあるため、避暑地としても人気です。武陵源の観光は4月と10月が適しているといわれています。武陵源には、高さ約330メートルのエレベーターがあります。百竜天梯と呼ばれ、屋外のエレベーターとしては世界一の高さを誇ります。2013年には、フランスの有名なロッククライマーであるジャン=ミシェル・カサノバ(Jean-Michel Casanova)さんがこのエレベーターを素手で登ったと話題になりました。

仏の「スパイダーマン」が百竜天梯を登攀―中国

武陵源3

武陵源4

幻想的な景観が広がる仙境

武陵源には高さが200メートルを超える岩の柱が3100本以上も林立しています。エリアの97%が森林に覆われており、奇岩や木、雲海が武陵源の代名詞です。幻想的な景観から仙境と称えられています。武陵源の「南天一柱」は有名な観光スポットですが、2010年には「南天一柱」に関してひと悶着がありました。世界で大ヒットした2009年公開の映画・アバターのハレルヤ・マウンテンのモデルが「南天一柱」だとして、張家界市で「南天一柱」を「ハレルヤ山」に改名しようとした騒ぎが起きました。結果的には、ジェームズ・キャメロン監督が北京で「原型モデルは黄山」と発言し、張家界観光局長が自ら改名を否定して騒ぎは収まりました。

アバターに便乗して世界遺産を「ハレルヤ」に改名!?金もうけに走る中国―シンガポール紙

武陵源5

武陵源6

武陵源の観光は気候が穏やかな時期の方が適していますが、夏や冬もそれぞれに違った表情を見せてくれます。日差しが強い夏、雪化粧の冬といったあえて厳しい環境の中で武陵源が見せる表情を見てみるのもいいかもしれませんね。また、武陵源にはロープウェイが整備されている場所もあります。エレベーター同様別途料金が必要ですが、余裕があれば眼下に広場る雲海と林立する岩山をロープウェイから眺めるのもいいかもしれません。

           

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