天下一の名山、アバターのモデルになった黄山―中国世界遺産

中国の世界遺産、8回目は1990年に登録された複合遺産、安徽省黄山市にある黄山です。かつては黟山(いざん)と呼ばれていましたが、唐の時代に黄山に改められたといわれています。名前の由来は、中国の伝説上の皇帝、黄帝に由来します。黄帝が黄山で不老不死の霊薬を飲み、仙人になったとの言い伝えからです。

「黄山四絶」は必見!別名「黄海」

黄山では断崖絶壁の景色が特徴的で、水墨画などの題材にもよくなっています。黄山は花崗岩でできており、太古の昔は海底であったと考えられています。長い間氷河や風雨に浸食され、今の景色が出来上がりました。黄山は独立した1つの山ではなく、72座の群峰の総称です。中でも光明頂(1840m)、蓮花峰(1873m)、天都峰(1829m)は三主峰と呼ばれています。また、変わった形状の松、怪石、雲海、温泉は「黄山四絶」と呼ばれ、必見の景色として有名です。年間3分の2は霧と雲で覆われており、別名「黄海」とも呼ばれています。

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黄山1

黄山2

アバターの山のモデルになった!

中国で昔から「黄山を見ずして山を見たと言うなかれ」と言われるほど有名で、「中国人なら一度は登りたい山」と言われているように、中国人にとっては特別な山です。黄山がある黄山市はもともと「徽州地区」と呼ばれていましたが、黄山の知名度にあやかり、1987年に黄山市に改名しました。世界遺産に登録された1990年以降は世界的に知られるようになりました。それだけ黄山の影響力は大きいということです。

2009年の大ヒット映画・アバターの「ハレルヤ・マウンテン」のモデルになったとも言われていますが、2010年にはちょっと変わった騒動がありました。当時、湖南省張家界市で、同市の世界遺産・武陵源地区の巨岩「南天一柱」こそが「ハレルヤ・マウンテン」のモデルとの論調が聞かれ、「南天一柱」を「ハレルヤ山」に改名しようとした騒ぎが起きましたが、ジェームズ・キャメロン監督が北京で「原型モデルは黄山」と発言したことなどにより、沈静化しました。

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黄山3

黄山4

天下一の名山

中国には道教の聖地と言われている五岳(泰山、衡山、嵩山、華山、恒山)と、仏教の聖地と言われている四大名山(五台山、峨眉山、九華山、普陀山)がありますが、このどちらにも属しない黄山は中国で「天下一の名山」と呼ばれています。明の地理学者・徐霞客が黄山に登った際に「黄山を登ったら他の山は見られない」と絶賛したことから、今では「五岳を見たら他の山は見られない、黄山を見たら五岳は見られない」と言われています。黄山四絶は有名な景色ですが、近年では黄山の雪景色も人気となっており、雪景色を加えて「黄山五絶」と紹介されることもあります。

天下の名峰・黄山で雪の絶景を楽しむ―安徽省黄山市

黄山5

黄山6

黄山は、国家、政府機関、非政府機関で構成される国際的な自然保護ネットワーク・国際自然保護連合(IUCN)が2014年に新設した、優良自然保護区を選定する「IUCNグリーンリスト」の第一回で選出されています。自然豊かで仙境とうたわれるほどに現実離れした幽玄な景色は、今なお多くの人を惹きつけています。中国人ならずとも、一度は訪れてみたい場所です。

           

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