日中が激闘した、世界で唯一無二の美しさを持つ盧溝橋―中国十大古橋

中国の十大古橋、最終回は北京市豊台区にある盧溝橋です。盧溝河(現在の名前は永定河)に跨っていることからその名が付きました。盧溝橋は1189年に建造が始まり、1192年に完成しました。北京にある最も古い石造りのアーチ橋です。

世界で唯一無二の美しさ

盧溝橋の全長は約266メートルで、幅は約8メートルです。11のアーチを持ち、両脇の欄干には形がすべて異なる石獅子が501基鎮座しています。マルコポーロが「東方見聞録」の中で、盧溝橋を「世界で唯一無二の美しさ」と絶賛したことでも有名です。盧溝橋には形が異なる獅子像が多くあることから、「獅子像の博物館」とも呼ばれています。風化によりいくつかは壊れてしまっており、2017年には獅子像の保護プロジェクトが始動しました。3Dスキャン技術により501体の像のデジタルファイルを構築し、美しい石刻芸術を保存する活動が進められています。

盧溝橋の獅子像のデジタル化に着手、美しい石刻芸術を永久保存―中国

盧溝橋2

戦争の文化遺産が数多く残る

盧溝橋の名称を「盧溝橋事件」で聞いたことがある人も多いかと思います。1937年7月7日に日本と中国の軍が衝突し、その後の日中戦争のきっかけとなったといわれている歴史的な出来事です。そのため、盧溝橋周辺には関連の遺跡が数多くあります。2014年に北京各区県の文物部門が行った調査の結果から、北京に各種の戦争文化遺産が162か所あることがわかりました。

盧溝橋周辺にはかつて旧日本軍が建造したトーチカ(鉄筋コンクリート製の防御陣地)が多くありましたが、浮浪者が住み着いたこともあり、1950年代にほとんどが取り壊されました。わずかに残ったトーチカは豊台区の移動不可文化財に指定されていました。歴史的に価値が高い物も多いため、北京市は2015年から大がかりな修復作業を行いました。3000万元(当時のレートで約5億6600万円)を使い、戦争文化遺産の修復と環境整備を行うそうです。

5億6600万円を使い、抗日戦争文化遺産を修復―北京市

盧溝橋3

日中の激闘の戦場となったことで多くの人に知れられるようになった盧溝橋。盧溝橋と聞くと、日本人や中国人は過去の苦い歴史を思い浮かべてしまいます。ただ、マルコポーロが絶賛するほどに美しい橋で、石で造られた貴重な獅子像が並ぶ芸術的な価値が高い橋でもあります。これからはその美しさで多くの人を惹きつけ、戦争の歴史だけでなく、芸術的な魅力も発信していってほしいです。

           

SNSでもご購読できます。

コメントを残す