八大料理のトップだった安徽料理、“野性味”が特徴―中国八大料理

中国の八大料理、第6回目は安徽料理をご紹介したい。明・清代に安徽省出身の商人が台頭したことで安徽料理が広く知られるようになり、同時期に「八大料理のトップ」と呼ばれたこともあった。安徽料理の特徴は何といっても野性味溢れるその食材にある。黄山で採れる多種多様な動植物は他では真似できないもの。こうした食材を調理する特徴の一つは「紅焼(醤油煮)」と呼ばれている。代表的な料理に腌鮮鱖魚(塩漬けケツ魚の煮物)、安徽豆腐(毛豆腐)、火腿蒸甲魚(中国ハムとスッポンの蒸し料理)、問政山笋(問政山のタケノコ料理)、符離集焼鶏(鶏の丸ごと煮込み)などがある。

安徽料理

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日本ではなじみない高級淡水魚を使った腌鮮鱖魚

鱖魚(ケツギョ)はスズメ目の淡水魚で、日本では余り見かけないが、中国では高級魚として扱われている。煮込んだことで身は柔らかくなっており香ばしさも漂う。この料理は100年以上の歴史があり、重陽節(邪気を払い長寿を願う中国の伝統的な日。毎年の陰暦9月9日)ごろになると市場に出回るため、この時期の風物詩的存在ともなっている。

腌鮮鱖魚

明の皇帝が絶賛した毛豆腐

毛豆腐は豆腐を発酵させた食材で、表面を白い毛が覆っている。味はチーズに似ている。表面の白い毛は発酵する際にできるカビで、熱を加えると毛はなくなる。もともと栄養価が高い豆腐だが、発酵させることでアミノ酸が増え旨みが増すという。毛豆腐は焼いたり揚げたりするのが一般的な調理法。

毛豆腐は、明の初代皇帝・朱元璋の料理人が戦場で出したものが原型という伝説がある。安徽省で敗戦した朱元璋率いる軍が食料を探していた際に、地元の人が草むらに隠していた数丁の豆腐を発見。他に食料がなかったため、料理人はこの白い毛のカビが生えた豆腐を炭火で焼いて出したところ、朱元璋はその味を絶賛。戦に勝った後、この料理人には褒美が与えられ、毛豆腐が安徽省で広まったという。

毛豆腐

栄養たっぷりのスッポンを煮込む火腿炖甲魚

火腿は中国ハム、甲魚はスッポンで、この2つの食材が主役なのが火腿炖甲魚。下処理をしたスッポン、中国ハムを煮込む料理。スッポンには必須アミノ酸をはじめ、コラーゲンやリノール酸、ビタミンB群、カルシウム、鉄などが豊富に含まれている。リノール酸は血中コレステロール値や血圧を下げる効果があり、動脈硬化や心筋梗塞、高血圧を予防する効果が期待できる。

火腿炖甲魚

問政山笋は故郷の味

安徽省黄山市にある問政山で採れる笋(タケノコ)を使った料理で、一般的に燻製肉やキノコなどと一緒に煮込む。その昔、他の都市で活躍する安徽省出身の商人は、家族や知り合いにたのみ故郷のタケノコを手に入れ故郷の味をかみしめていた。その際タケノコを土鍋に入れ炭火で焼いたとされ、その後安徽省出身の商人が故郷を懐かしむために食べるグルメとして定着したという。

問政山笋

香り高き無形文化遺産の符離集焼鶏

下処理した鶏を一度揚げてから十数種類の香辛料と一緒に煮込む料理で、香り高く肉質は柔らかい。料理名は安徽省宿州市の符離鎮(別名、符離集)の地名に由来しており、現地の商人が今の形に完成させたといわれている。符離集焼鶏は安徽省の無形文化遺産に指定されている。

符離集焼鶏

毛豆腐やケツギョなど、日本では聞いたこともないような食材を使うこともある安徽料理。なかなか想像するだけではどんな味かわからないため、興味がある人は現地に行き本場の味を堪能してみてもいいかもしれない。

           

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