仏教芸術の宝庫、10万体の仏像がある龍門石窟―中国世界遺産

中国の世界遺産、28回目は2000年に登録された文化遺産、河南省洛陽市にある「龍門石窟」です。石窟寺院群で、多くの仏教彫刻が残されています。敦煌の莫高窟、大同の雲岡石窟と並ぶ、中国三大石窟の1つです。

仏教芸術の宝庫

龍門石窟は伊河(伊水)の両岸の龍門山と香山にあり、主に北魏時代と唐代に切り開かれました。龍門石窟がある洛陽市は、後漢、北魏、武周などの時代に「都」として栄えた場所です。北魏の皇帝は仏教に傾倒し、唐代の則天武后も仏教への信仰が厚かったため、彼らは洛陽で盛んに仏教建築を建造しました。その代表的な存在が龍門石窟で、歴代王朝が400年以上にわたって作り続けた、仏教芸術の宝庫と言われています。北魏が首都を洛陽に遷都した頃から唐中期までの間に3万体の仏像が納められ、洛陽の重要な観光スポットとなっています。龍門石窟は、ボタンの花、洛陽水席(コース料理)と共に「洛陽三絶」と呼ばれています。

<シリーズ・中国6大古都を巡る1>河南省洛陽市

龍門石窟2

龍門石窟3

2000の石窟に10万体以上の仏像

龍門石窟では、大きいものだと高さ17メートル、小さいものは2センチと大小さまざまで、約2000の石窟に10万体以上の仏像が保存されています。龍門石窟がある一帯の石質は非常に硬く、石窟を切り開いた当初は小さな仏像しか作れなかったそうです。ただ、600年代頃に石刻技術が栄えたことで、大きな仏像も作られるようになりました。2007年には石窟がライトアップされ話題になりました。この取り組みは中国の国家文物局の許可を得て、準備期間3年、予算800万元(当時のレートで約1億2000万円)を投じて行われました。5370メートルにわたり2886個のライトが設置され、石窟全体をあざやかに照らし出しました。

あざやかに照らし出された10万体の石仏―河南省洛陽市

龍門石窟4

龍門石窟5

“ピースする”仏像が人気に

龍門石窟では、則天武后の統治時期に造られた奉先寺石窟が最大規模で、北魏の「古陽洞」「賓陽洞」「蓮花洞」と、唐代の「潜渓寺」「万仏洞」「看経寺」などが代表的な石窟です。2014年には、賓陽北洞にある仏像の手が「ピースしているように見える」と話題になりました。専門家によると、この彫像の右手は元々、親指、人差し指、中指の3本を立てていましたが、後に破損して親指の先が折れ、また人差し指と中指の間も大きく開いているため、ピースしているように見えるそうです。この仏教の印相(仏教修行者が両手や指で行うさまざまな姿勢で、経を念じることと合わせて、修行の目的をより早く達成することができるようにするもの)はおそらく「阿弥陀仏」を意味していると言います。

カメラ写りバツグン?ピースしている仏像、撮られる―河南省洛陽市

龍門石窟6

龍門石窟7

長い年月をかけて完成した龍門石窟。仏像は月日の経過で風化し破損している仏像も多く、1970年や2006年には大規模な修繕工事が行われました。先人らの思想や思いが詰まった貴重な遺産ですので、後世に残せることを切に願います。

           

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