スケールが大きくロマンあふれる大足石刻―中国世界遺産

中国の世界遺産、23回目は1999年に登録された文化遺産、重慶市大足区にある大足石刻(だいそくせっこく)です。石仏が岩の壁に彫刻されており、「宝頂山」「北山」「南山」「石篆山」「石門山」の5カ所に石刻が集中しています。

仏像の頭が盗まれる事件も

大足石刻は649年に切り拓かれ、唐朝末期、五代、宋代に次々と造られ、明清代(14~19世紀)まで石刻の数は増加を続け、最終的には巨大な規模に至りました。中国の石刻芸術の精華として、中国石窟芸術を代表する中国三大石窟である「雲こう石窟」「龍門石窟」「莫高窟」に比肩するほどの知名度があります。もちろん、芸術的価値や規模においても中国三大石窟に引けを取らないレベルです。

芸術的にも歴史的にも価値の高い大足石刻ですが、過去には石仏の盗難事件も発生しています。事件は1995年6月に発生し、仏像の頭部が切り離され持ち去られていました。1996年には主犯の1人が死刑を科せられ、もう1人の主犯は指名手配されました。この主犯は11年間の逃亡の末に、2006年8月に逮捕されました。

大足の仏頭盗人、11年逃亡の末ついにお縄―重慶市

大足石刻2

大足石刻3

千手観音の像から隠されたレンガや瓷器が!

大足石刻の域内には40を越える石刻があり、彫像は5万体に達します。その中でも特に有名で、規模が大きいものは、「宝頂山」と「北山」の2カ所です。この2つの山は、中国の重要文化保護財に指定され、唐朝末期以降の石窟芸術の代表作として位置付けられています。「宝頂山」には31組の石刻が500メートルにわたって並んでいます。とりわけ、農村の牧歌的な生活をリアルに刻んだ《牧牛道場》が最も精彩を放っています。

また、全長31メートルの「釈迦涅槃像」、1007本の手が伸びる「千手観音像」、手の上に500キロの石塔をのせ800年以上立っている「華厳三聖仏像」なども有名です。2014年には、修復作業が行われた千手観音の腹部から、文字が刻まれたレンガや金箔、瓷器の破片などが発見されました。長方形のレンガには表と裏にいずれも赤い文字が刻まれていました。

世界遺産の千手観音から大発見!文字の刻まれた隠しレンガ見つかる―重慶市

大足石刻1

大足石刻5

5つの山に石刻が集中

「宝頂山」と並んで有名な「北山」の石刻の数は万を数えます。ここの石刻は892年から250年をかけて造られたと言われています。これらの彫像の特徴は、彫刻が繊細で、まるで生きているように見えることです。なかでも、観音像や文殊菩薩像は傑作と言われています。大足石刻は中国の石窟の石刻彫刻の中では保存状態が最も良いと言われています。仏教像がメーンですが、儒教・道教の像も刻まれており、その時代の人物、社会生活の様子を刻んだものもあります。

大足石刻6

大足石刻7

数十メートルの大きさや千本超の腕、数百キロの重さの塔など、スケールが大きい石刻も少なくない大足石刻。重厚でスケールが大きい石刻に圧倒されるのはもちろんの事ですが、千手観音に文字が刻まれたレンガが見つかるなどロマンも感じます。これだけ大きく精巧な石刻は相当に大きな労力が費やされたことは容易に想像できます。先人らの傑作は一見の価値があることでしょう。

           

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