中国で最も保存状態が良い古城・平遥古城―中国世界遺産

中国の世界遺産、19回目は1997年に登録された文化遺産、山西省晋中市平遥県にある平遥古城です。平遥古城は山西省の省都である太原市から、南に約90キロの所にあり、明・清時代には中国金融の中心地として発展した城塞都市です。今は中国国内で最も完全に保存されている古城として、人気の観光スポットです。

清代に「小北京」と呼ばれ実業家が多く住んでいた

平遥古城の通りにはシンボル的存在の「市楼」と呼ばれる楼閣が立っています。その昔、楼閣の下で市が開かれていたことから市楼と呼ばれるようになったそうです。古城の創建は西周時代にさかのぼり、すでに2000年余りの歴史があると言います。内部には保存状態の良い古城壁をはじめ、五代の時期に建てられた木造建築、鎮国寺、金代の建築文廟大成殿などが残っています。これらの古跡以外にも、平遥城のもう一つの特徴的な建築である四合院の民家が、城内に約3800カ所現存しており、そのうちの多くに今もなお人が居住しているそうです。清代には、実業家が多く住んでいたことから、「小北京」と称されたこともあります。

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外国の旅行家も驚く保存状態の良さ

平遥古城は、商業施設や役所、市場の位置などが当時のままで保存されており、現代においても都市としての機能を十分果たしている珍しい都市となっています。大通りである「南大街」は古くから続く商店街で、明時代から続く酒屋「長昇源」では、西太后が味わったといわれる薬用酒「黄酒」を購入することができるそうです。観光地として人気の平遥古城ですが、2011年には米紙ニューヨーク・タイムズが発表した「2011年のお勧め観光スポット41カ所」に選ばれています。

平遥古城について旅行家のDAN LEVIN氏は「明代の建物や城壁がほぼ完全な形で残されている。多くの都市が近代化を進める中、中国最大の石炭産出量を誇る山西省にこれほどの古い伝統が息づいていたとは」と驚いていたそうです。

平遥古城(中国)、ニセコ町(日本)など、2011年のお勧め観光スポットは41カ所―米紙

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明代の城壁がほぼ無傷、中国唯一の町

平遥古城は全長6キロメートルの城壁が周りをぐるりと囲んでおり、明代の城壁がほぼ完全な形で残された中国唯一の町といわれています。内側には、レンガと瓦屋根の伝統家屋が建ち並び、その間を縫うように細い通りが走っています。未舗装の狭い路地では地元の人々が自宅前に椅子を出して、午後のおしゃべりに花を咲かせている風景を目にすることもできます。

平遥は明・清代に商業界を二分する存在だったとも言われる山西商人の拠点であり、かつて銀行の前身である「票号」という金融業によって繁栄しました。しかし、清末からの動乱によってさびれ、現代に至っても資金不足のために再開発が行なわれなかったそうです。ただ、再開発されなかったことで、現在も見られる素晴らしい町並みを残す結果となりました。

<日本人が見た中国>郷愁漂う城郭都市、繁栄の歴史とは無縁―平遥古城

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悠久の歴史を持つだけでなく、今なおそこに現地の人が住み続けている世界遺産は珍しいと思います。社会の発展により人々の暮らしには変化が訪れていますが、平遥古城のたたずまいに大きな変化はないでしょう。現代化の中で歴史を伝え続けている平遥古城は、観光地という側面だけでなく、過去と現代を繋ぐ存在なのかもしれません。

           

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