地震に負けず古き良き街並みを残した麗江旧市街―中国世界遺産

中国の世界遺産、18回目は1997年に登録された文化遺産、雲南省麗江市にある麗江旧市街です。麗江古城とも呼ばれており、少数民族であるナシ族独自の古い町並みが広がっています。独特な建築様式と水郷のような美しい風景のゆえ、「東方のベニス」とも呼ばれています。

ナシ族の王都として栄えた

麗江旧市街は古くよりナシ族の王都として栄えた標高2400メートルの街です。金沙江のほとりにあり、玉龍雪山を北にいただく街並みには、薄墨色の瓦でふいた旧来の木造家屋が1000軒以上も立ち並んでいます。歴代王朝の地方行政機関としてや、雲南の茶葉とチベットの馬を取引する西南シルクロードの要衝として800年間もの間栄えてきました。

8世紀ごろに青海省から南下してきたといわれるナシ族は、他民族の侵略をかわしながら長く独自の文化を守り抜き、「蟻のように勤勉に働き、蝶のように楽しく生活する」という独自の哲学を貫いてきたと言います。世界で唯一現存する象形文字のトンパ文字をはじめ、トンパ舞といわれる民族舞踊、壁画に残されたナシ画、自然を崇拝するトンパ教など、独特の高度な文化が脈々と彼らの間に受け継がれています。

<シリーズ・少数民族のふるさとを訪ねて2>薄墨色の広がるナシ族のふるさと・雲南省麗江

麗江旧市街1

麗江旧市街2

伝統家屋の修復はユネスコも評価

麗江旧市街は宋代の末期の1126年にナシ族が建設したと言われ、2003年以来伝統的な家屋の修復が進められ、こうした活動が認められ2007年には「ユネスコアジア太平洋地区2007年遺産保護優秀賞」を受賞しました。麗江旧市街の北西部は象山、金虹山、獅子山とも隣接し、南東部は肥沃な平原が広がっています。麗江旧市街は中国歴史文化名城の一つであり、旧市街の中心部は四方街と呼ばれ、石畳の道が張り巡らされ水路も走っています。橋が多いのが特徴で、350余りの石橋がかかっているそうです。「東方のベニス」のほか、「高原蘇州」といった美称も持っています。古い建物の多くは商店や飲食店、宿泊施設に利用されています。ナシ族の族長である木氏の邸宅である「木府」も旧市街にあります。

まさに、その地名そのものの風光明媚さがある。ここは麗江古城、別天地

麗江旧市街3

麗江旧市街4

地震に負けず世界遺産に

麗江古城とも呼ばれていますが、他の古城と明らかに異なる点が「城壁」がないことです。ナシ族は他の民族と良好な関係を保つことができたため、800年以上もの間戦乱に巻き込まれることはなかったと言います。こうした平和が今の街並みを保存することに繋がりました。ところが、世界遺産に登録される前の年の1996年、マグニチュード7.0の地震が麗江市を襲いました。旧市街も大きな被害を受け、近代的な建築への建て替えが検討されましたが、住民らはこれに反対し、極力昔の姿を残る形で復興しました。

麗江旧市街5

麗江旧市街6

麗江旧市街では水路が張り巡らされ、玉龍雪山から水が引かれているそうです。さらに、井戸を3つに分け飲用水や洗濯用水などを分けるなど生活の知恵が各所に散らばっています。世界で唯一現在も使われている象形文字であるトンパ文字も麗江旧市街の至る所で目にすることができ、麗江旧市街ならではの光景を作り出しています。

           

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