日本にも影響、儒教の始祖・孔子に縁ある三孔―中国世界遺産

中国の世界遺産、14回目は1994年に登録された文化遺産、山東省曲阜市にある曲阜孔子廟、孔府、孔林です。三孔とも呼ばれています。中国の春秋時代の思想家にして儒教の始祖である孔子にゆかりのある場所です。

中国最大の孔子を祭った霊廟

孔子廟は儒教の創始者である孔子を祭る霊廟で、中国各地に点在していますが、曲阜市にある孔子廟は中国最大です。南北方向に縦630メートル、横140メートルの大きさを誇ります。内部には約460の部屋があり、紀元前478年(孔子の死後2年目)に、魯哀公が旧居を改築して廟にしたといわれています。それ以後、歴代皇帝により修理、拡張され現在の規模になりました。中国は毎年9月10日が「教師節」と呼ばれる記念日なのですが、2009年ごろから「万世師表(永遠の教師)」と呼ばれる孔子の誕生日9月28日を教師節の日に改めるべきとの提案があがっていますが、今のところ変更はないようです。孔子の影響は日本にも及んでおり、沖縄には孔子廟が建てられ、毎年孔子祭が開かれています。

沖縄に今も残る中国の風習、福建人の末裔が行う孔子祭―中国メディア

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東京ドーム4個分の孔子の子孫の住居

孔府は孔子の正統な子孫が代々居住する場所で、西側は孔子廟と隣接しています。明代、清代皇帝の皇居に次ぐ大きさです。孔府の面積は約16万平米で東京ドーム(建築面積:4万6755平米)約4個分です。庁、堂、楼、軒などの463の建築物が並んでいます。府内は歴史文化財が豊富に収蔵されており、中でも最も有名なのは、“商周十器”と呼ばれる宮廷所蔵の青銅製の祭器です。これらは、乾隆帝から孔府に寄贈されたものです。

2009年には、10年がかかりの改訂作業が完了した「孔子世家譜(孔子家系図)」が発表されました。「孔子世家譜」は世界で最も長い家系図とされ、明朝に「大改訂を60年に1度、小改訂を30年に一度」と定められたが、実際には天啓(1621−1627)、清朝の康煕(1662−1722)、乾隆(1736−1795)と1937年の4回しか改訂されていなかったそうです。5回目となった2009年の改訂では、130万人余りが新たに追加され、孔子の子孫は200万人を超えました。

孔子の子孫200万人超に、「孔子家系図」9月に出版―中国

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世界で最も長く継承される孔子一族の墓地

孔林は曲阜市の北にあり、孔子とその一族の墓地です。世界で最も長く継承され、面積も世界最大の氏族墓地です。孔林は孔子の死から2年後に作られたといわれています。その後、孔子の地位の向上に伴い孔林の規模も大きくなりました。漢代以降、歴代統治者は13回にわたり、孔林を増築・改修し、現在の規模に至っています。総面積は約2万平方メートルで、取り巻く林の壁は56キロ、塀の高さは3メートルを越し、厚さは1メートルにもなります。偉大な先人である孔子は多くの人に影響を与えていますが、2010年ごろには中国の企業家の間で孔子がブームになったそうです。孔子の生まれ故郷である曲阜市に中国各地から会社経営者が訪れました。

中国企業家の間で「孔子」が大ブーム―米メディア

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孔子とその高弟の言行をまとめた「論語」に「温故知新」という言葉があります。孔子は2500年以上前の人物とされていますが、彼の思想や言葉は現代にも脈々と受け継がれています。企業家に人気なのは、きっと孔子の優れた思想を学びそこから新たなものを生み出そうとする「温故知新」な考えがあるからなのかもしれませんね。

           

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