皇帝が離宮として利用した承徳避暑山荘と外八廟―中国世界遺産

中国の世界遺産、12回目は1994年に登録された文化遺産、河北省承徳市にある承徳避暑山荘と外八廟(以下、避暑山荘)です。避暑山荘は、清の皇帝がかつての首都である奉天(瀋陽)へ行き来する際に立ち寄った離宮で、80年以上の月日をかけ建立されました。

当時は北京に次ぐ第2の都

北京から車でおよそ3時間の承徳は明清時代より全土に知られた避暑地であり、清朝における夏季の施政地として有名でした。当時は北京に次ぐ第2の都に相当する地位を確立していました。標高は約1000~1700メートルで、古くはモンゴル族が放牧を営む山間の小村でした。その名の通り、避暑山荘とその東と北側にある外八廟で構成されています。「承徳の避暑山荘」は、北京の頤和園、蘇州市(江蘇省)の拙政園と留園と共に、中国の四大名園の一つに数えられています。

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承徳の避暑山荘2

承徳の避暑山荘3

現存する中国最大の皇室御苑

避暑山荘は中国で現存する最大の皇室御苑として有名です。避暑山荘が着工されたのは康熙帝が在位した1703年ですが、康熙帝は完成を目にすることなく崩御しました。避暑山荘が完成したのは乾隆帝が統治していた1790年です。城壁内周辺は「宮殿区」と呼ばれ、そこには正宮、松鶴斎、万壑松風、東宮の4つの建物があります。「宮殿区」以外の場所を「苑景区」と呼び、区内では地形に則って、「湖沼区」「平野区」「山岳区」と区別して呼んでいます。さらにその外郭には旅館や飲食店、賭博場、花街などが集まる一大歓楽街だったそうです。現在、避暑山荘は観光地として人気です。中国では観光地を1A~5Aの5段階に区分しており、2007年に中国が5A観光区を選出した際に避暑山荘が選ばれています。

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承徳の避暑山荘1

承徳の避暑山荘5

外八廟はチベット建築の影響が色濃い

外八廟は清代にモンゴルやチベット、ウイグルといった場所に住む少数民族を宗教の力で団結させるために建立したもの言われており、外八廟は清王朝が管理していました。外八廟には「溥仁寺」「溥善寺」「普寧寺」「安遠廟」「普陀宗乗之廟」「須弥山福寿之廟」「広縁寺」「普佑寺」の8つが該当し、このほかに「普楽寺」「広安寺」「羅漢寺」「殊像寺」の4つも世界遺産に登録されています。外八廟の建築はチベット建築の影響を色濃く受けており、中国様式とチベット様式を折衷した独特のデザインとなっています。

承徳の避暑山荘6

承徳の避暑山荘7

康熙帝が気に入っただけあって、避暑山荘は緑に囲まれています。水があり、歴史的な寺院がたたずんでいる避暑山荘は風光明媚な景色を作り出しています。

           

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